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会計力とは何か。比較級思考

株式市場における株価が安いか高いかを判断する指標として、PER(一株当たり利益)とPBR(一株当たり純資産)があります。PERは、一株当たりの利益がどの位なのか。その何倍の株価をしているか。これは、何年で現在の利益でもって今の株価を回収できるかという指標ですので、利益水準が妥当なのか。将来とも継続的に実現できるのか。それらを前提として、現在の株価の妥当性を考えるのがPERの思考です。これをトヨタの場合なら、日経平均全体との比較、自動車業界の平均との比較、ホンダや日産との比較といった、いろいろな手法が考えられます。この場合、現在の利益水準を前提に将来の利益がどうなるかを想定するという、いわば「利益読み」の精度がどの程度出来るのかに依拠します。トヨタの今年の決算のように、昨年は過去最高の利益、今年は赤字ということになると「利益の先読み」は不可能になります。こうなるとトヨタの実力利益を探すという困難な問題に直面します。これに対して、PBRは、一株当たりの純資産ですので、今解散したら清算分配金として、これだけのお金が戻るということですので、株価の最下限を表わすといわれています。しかし時価会計が大幅に取り入れられたとしても、株価の下落で年金資産の目減りや棚卸資産や設備資産の売却や収益性についても相当のディスカウウントを考えないと難しいと思われます。こうなると、PERやPBRをストレートに使うことが比較困難な時代として登場していきます。こういうことが、株価判断の難しさを提供しているのではないでしょうか。

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