比較級思考155
ジャストインタイムは無在庫経営に近く、必要なモノを必要な時に、必要なだけ調達してリードタイムの縮小、在庫管理コストの縮小を通してトヨタイズムを展開した徹底した合理的経営といわれました。乾いたタオルをさらに絞るというトヨタイズムの究極の姿として世界中で絶賛されました。全世界の企業がトヨタのカンバン方式をまねるの大合唱が起きました。しかし、どんな方法も魔法の杖とはなるものはありません。永久不変の原理といえども、どんな状況の下でも成立するとは限りません。トヨタのカンバン方式は、どのような状況下で成り立っていたのでしょうか。これはデフレの時代だからこそ実現できたことを忘れないで欲しいと思います。デフレの世界では、モノ余りでモノの価格がドンドン下がっていきます。今日より明日は価格が下がっている。明後日はもっと下がっている。このような状況では、急いでモノを買っておく必要はありません。まさに必要な時に必要なモノを必要な量だけ買っておけばよいと言えます。
« 比較級思考154 | 会計力 | 比較級思考156 »
